テンペラ画もどきの講評

油画科2年生必修の『テンペラ画もどき』昨日講評だった。

例年は学年単位で行われていたようだが、今年はコロナ禍のため人数を分けて行われたそうだ。
大学入学前の講評は、指導する先生方が一定のレベルへと作品を引き上げるためのものだった。対して、大学生になってからは作品に対して自分の考え等を述べ、指導者はそれにアドバイスを与えるもののようだ。大学に入学した以上、一定のレベルに達しているとみなされているため出来上がり目安としての作品のハードルは上がっているが、自分の好きなように作品を仕上げられるという喜びは強い。
他の学生の話していることも刺激になるので、講評中は気が抜けないのが大変そうだ。

今回の作品は『古典的な技法を使って作品を仕上げる』というくびきはかかっているが、テーマやモチーフは自由に決められた。描き方はいつもとは違っていたが、娘らしい作品になっていた。
先週、コロナワクチン接種のため3日程休んだ。例年より短い期間で作品をしあげないといけない上に休んでしまったので、進みが周りよりも遅れていたらしい。途中でアドバイスしてくれたK教授に「完成しないかもしれないけど、できるだけやった方がいいよ」と言われて奮起。
遅くまで残って、自分なりに決めたラインまで描き進めたようだ。『今の私の実力で、ここまで描いたらまぁまぁ充分』という自分なりに決めたライン。今回の作品はこれで終わりにしようと思っていたようだが、残念ながらそうはならなかった。

「いいと思った作品は、そのままか手直ししてか組成室に持ってきてもらって飾りたいからあとで個別に言うね。せっかく手直ししてもらっても、手直しする前の方がいいからやっぱり飾らないってこともあるかもしれないけどね。」と全体講評でお茶目に話したK教授。
手直しして持っていく組に娘の作品は入っていたようだ。
『これでこの作品は終わり。次はこれを生かした作品を作ろう。』とワクワクしていた娘だが、有難いことに手直しを言い渡された。メインのモチーフを生かすために、その影と上部のモチーフを手直しして『(まぁまぁではなく)作品をもっと完成に近づけなさい。』というお達し。

まぁまぁではなく、もう一歩進ませて作品を完成に近づけることは、今後作品を作っていくにあたってとても大事なこと。手直しが功を奏するかどうかは娘の技術次第。どちらの場合でも今後の糧につながる。その後押しをしてくださったK教授、流石としかいいようがない。ムサビに入れて良かったなぁと思わせてくれる指導教授の一人だ。


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