作品は、うまく描けないことの方が多い
最近娘はご機嫌が悪い。
デッサンよりも油絵の方が描いた枚数が断然少ないので、仕方のないことだと思うがうまくいかない事が多いらしい。
現在娘は美術予備校の夏期講習中で、今は4期の最後の課題だ。
1.2期は木炭デッサンだったが、3期から油絵になった。
3期目に描いた課題『人物が雨天の屋外にいることを想定して描きなさい。』が思ったよりも上手に描けてしまったせいで、それを基準に考えてしまうらしい。
その後に描いた3枚とも、納得のいかない出来栄えで気に入らないようだ。
そうなると娘は、どんな作品を描いたのか教えてくれない。
画像を撮ってきてもくれないので、予備校でどんなことをしているのか私にはわからなくなってしまう。
ただ、今はどんな課題がでたかは教えてくれるので、一時期よりもまだましなのだろう。
現役時代のある時期、何にも答えてくれない時があった。
あの時も、油絵を描いていたかも。
年末から年始の少し前くらいの時期だったかな。
あんまり落ち込みがひどくて、何を言っても『うん』か『ううん』だけになってしまって、困ってしまったっけ。
ただただ丸くなってじっとしているだけで、『放っておいて欲しい』オーラをビリビリと感じられた。
今はそこまでじゃなく、どんな課題が出たかは教えてくれるので、あの時よりはまだいいのだろう。
国語や数学、英語や世界史などとは違って、求めている答えを書くことで良い点数をもらえる訳ではない美術の試験は、人それぞれで導き出す答えが違う。
自分らしい答えを探しながら、自分の表現方法も模索しなければならないのが大変そうだ。
何枚描いても、未だ納得できる作品は出来上がらないのだという。
毎回毎回、自分の納得のいく作品を求めて筆を取るが、近づくことさえ難しいことが多々あるようだ。
少しでもそれに近づけるように、描いていくしかないのだろう。
いつの日かそれを描ける日がくることを願っている。