閃きのシナプスを作るのは大変w
芸術脳に必要な閃きのシナプスを作るためのイメージドローイング課題。
今回はかなり苦戦したようだ。
現役時代にやった『50音の最初の一文字から始まる短い文章を自分で考えて、イメージドローイングをする』課題の時、言葉を考えるのも絵を描くのも楽しかったようで、課題期間が終わっても自分で自由に描いて50音ほとんどを作っていた。
今回の課題は既に用意されている言葉からイメージを発想しなければならない。
昨年度の藝大油画の入試では、一次も二次も同じイメージ課題であった。
- 世界に目を向ける。 (Looking at the world.)
- 世界を見通す。 (Seeing through the world.)
- 世界を映す。 (Reflecting the world.)
一次では、『構想力と構成力の2点から個人の想像力を評価』し、二次ではそれに加えて『形態と色彩による総合的な造形表現能力』を問われる。
藝大は、入試委員長が3年ごとに変わるのだという。
それに伴い出題傾向も3年ごとに変わる。
一昨年までの3年間は、『与えられたモチーフと言葉等を組み合わせて描きなさい。』という問題だった。
去年が問題の変わり目だったのだということか。
となると、今年は去年と似たような問題になる可能性が高いという。
今までの美大入試分析からいくと、藝大の問題の傾向を他私大もなんとなく追いかける場合が多いのだと予備校の先生方は言う。
今後はこのような問題が増えるのではと踏んでいるようだ。
今回の言葉を与えられて描くイメージ課題。
5日間で100枚描くことを目指していたが、娘は2日目終わった時点で30枚しか描けていなかった。
中間講評では、『面白い作品もあるから、増やしていって欲しい。』と言われたようだ。
与えられる言葉は、『アダムとイブ』のような既にあるような言葉の場合もあるが、『花と血ではなくて』とか、意味がないことを組み合わせて、否定したりするものもある。
それを風刺ではなく捉えて、イメージにして、題にそれをつけた時にあぁなるほどねって思わせないといけない。
200語ある中から100語選んで描くのは、確かに難しいと思う。
簡単には思い浮かばないことを思い浮かべようと頑張る。
それを何度も繰り返させることで、閃きのシナプスを作らせようと先生方は指導しているのだ。
最終日の5日目。
目標には全く届かず、描けたのは60枚。
100枚の目標は残念ながら達成できなかったようだ。
リハビリと同じで、同じ行為を短い期間のうちに何度も繰り返すことでその回路を作る課題だった。
「最初に選んだお題は、パッとイメージが浮かんだものだから、いいものが描けるんだけど。
後から選んだのはイメージが浮かばなかったものなのだから、うまくいかないの。」
と娘は言う。
そうなのだ。そのうまくいかないのを頑張ってやっていたのだ。
うまくいかないイメージをなんとかひねり出すように頑張る。
パっと思いうかばないイメージを、うんうんうなって。
出てこなくても考えて。
いいのが出なくてもなんとか出来ないかと考え抜いて。
やっと出てきたと思ったら、クソみたいなアイデアで。
クソみたいなのじゃ使えないから、それは捨てて。
他にもないかと考えて。
それでもまだまだ考えて。
考えて。
考えて。
ちょっと休んで。
また考えて。。
って繰り返して。
やっと、閃く。
その『閃かせる』ためにやってる訓練。
『構想力と構成力の2点からなる個人の想像力』それを生み出すための訓練なんだ、これは。
「100枚描けなかったから、残り40枚は今後描くつもり。」
と娘は言う。
毎日多くの課題を抱える中で、どのくらいできるだろうか。
今回のイメージドローイング。
リハビリと同じように続けることは辛く苦しいけれども、なんとか少しずつでも繰り返せば、何かを思いつくことができるようになるのではないか。
それを何度も何度も繰り返せば、きっと、閃きのシナプスを手に入れることができる。
なんて。
口で言うのは簡単だけど、実際に行うのは大変だね。