石膏デッサン3枚目:ガッタメラータはがんばってるじゃん
美術予備校での石膏デッサン三枚目は愛しのガッタメラータだ。
娘はガッタメラータと縁が深く、美術系クラスのある高校のデッサンコンクールでは3年連続ガッタメラータを描いた。
誰をどの場所で描くことになるかは、毎回くじ引きで決定する。
マルスやブルータス、ジョルジョ等の『ハンサム系』を退け、シブメのじいさんと付き合うこと3回。
三度目にしてやっとトップ10入りを果たしたことは記憶に新しい。
恩師P先生には、『2位に入るかもしれなかったんだよ』の有難いお言葉を頂いた。
高校のデッサンコンクールでは、美術系生徒達の描いた石膏デッサンを一堂に並べ、一枚ずつ順番を決めていく。
形や色、調子等様々な要素を鑑み、どの絵を何位にするのか数名の先生でしっかりと話して決めていくのだ。
発表時間も決まっていて、結果は廊下に張り出される。
トップ10まで一覧に記載されるので、学生達は朝からピリピリしてその瞬間を待つらしい。
本番さながらの緊張感。
点数もキッチリつけられる、キビシイ世界だ。
結果は7位だったけれども、苦労して良い結果を導き出したと思うのはやはり親バカか。
が。
その苦労して描いたガッタメラータよりも今回の方が『描けて』いた。
木炭の使い方が上手くなったのと同時に、先回のパジャントでM先生に直接指導いただいたのが良かったらしい。
形の取り方、前回指摘された『白トビ』と『背景の処理』もよくなっている。
絵は、ちょっとしたバランスでよく見えたりダメになったりする。
他の石膏像よりも『よく知っている』ガッタメラータだからこそ、うまく描けたのかも。
予備校の先生から『おぉ。頑張ってるじゃん』と言われ、喜んでいた。
今回の講評で、ようやく具体的な講評を受けることができたらしい。
形があっているか。とか調子が綺麗にできているか。とか基本的なことができていて、先生の修正が入らなかった場合に具体的な講評をしてくれるようだ。
「絵にあんまり変なところがあると、見ている先生もそこが気になっちゃうので、ちゃんと講評してもらえないんだと思う。
たぶん、100点満点の70点以上取れるくらいじゃないと、講評ってしてもらえないんじゃないかな。やっと、『見てもらえる絵(講評してもらえる絵)』になってきたのかも。
(直接画面に先生が手を入れて修正する)指導が入っちゃうとダメなんだけど、入らなければ、しっかり講評してもらえるの。」
そっかぁ。講評してもらえるの嬉しいねぇ。と聞いていると、でも講評してもらう直前にM先生からパースがおかしい部分があるって指摘されて、講評前15分くらいで突貫工事みたいに修正したんだぁ。と話す。
パースをとるのが難しいの。とつぶやいて黙っているので聞いてみる。
私「パースって比率のこと?」
娘「ううん。パースって、一点透視法とか二点透視法とか三点透視法とかのこと。
パースって理屈で覚えるものだから、私理屈苦手だから、意識して見ていなかったから、絵に描くの難しいの。
今日初めて、パースを意識して描いてみること言われたの。
石膏像って、有機的な形をしているので、パースをとるの難しいの。
立方体とか三角すいとか、無機的な形をしているのなら簡単なんだけど、石膏像はそうでないから大変なの。」
たしかに石膏像はデコボコしている。
立方体なら簡単だけど、デコボコしているものを三点透視法とかを考えながら描くのは難しいに違いない。
なるほどねぇ。
理屈で考えなきゃいけない部分と感覚で描かなきゃいけない部分と合わさっているから、うまくいく時とそうでない時とあるんだなぁ。
長くなってしまったので、具体的な講評の内容はまた明日。