受験デッサンの三歩目:お題のあるデッサンを描く

受験デッサンを通じて、デッサンの描き方でわかったこと。
今日は三歩目。モチーフと題を与えられて描く場合。(あくまで私見である)

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デッサンは置かれているモチーフか手渡されたモチーフを元に描いていく。
基本的に形や、質感、陰影の付き方など、モチーフの通りに描くことが正しいとされる。
組んであるモチーフを『見たままに描きなさい。』と言われるのが普通のデッサンであるが、モチーフと題、例えば『空中』という言葉を与えられデッサンを描くように言われることもある。
お題が出た時には、モチーフと『空中』という言葉をただ組み合わせて描くのではなく、そのお題を元に想像して絵を描く。ということだ。

例をあげて説明する。
去年(2018年)の東京藝術大学の油画の一次、デッサン(素描)の実技の問題は、『「空中」「地上」「水中」の三つの言葉から一つを選び、与えられた二つモチーフ(石・ゴムシート)と組み合わせて描きなさい。』という問題であのった。
この場合のお題は「空中」又は「地上」又は「水中」である。

お題は、その人の想像力を増すために課されるものだ。
自分のオリジナリティを主張することがよいとされる油絵専攻らしい問題の出し方だと思う。
問題文には『組み合わせて描きなさい』とあるが、ただ組み合わせるだけではなく、このお題を足掛かりに想像して絵を描くことが求められているのだという。

この場合、他の人と違うイメージを出せるかどうか。がまず問われる。
作品が他の人のイメージと似通ったものであった場合、より『描けて』いる方が残ることになるからだ。
誰かが思いつくようなものしか描けない場合、ライバルが多くなってしまうのだ。
他の人と違うイメージを出すことに成功した場合、ライバルがいないので、それが魅力的であれば、少しくらい稚拙であったとしても、評価される可能性があるのだ。

独自なものをよしとする油絵の考え方である。

これはお題が与えられなかったとしても同じことだ。

油絵は自分の世界観を表現するのがよしとされるので、現実世界と異なっていてもよしとされる。
説得力をもって自分の世界をどのくらい魅力的に表現できるかどうか、が勝負の要となる。

この意味でお題のあるデッサンは、単なるモチーフの組み合わせを描く静物デッサンよりも難しいといえる。

受験デッサンが大学受験の一環である限り、他の教科と同じように一定のルールに基づいて採点されることは変わらない。

出題者の意図は何か。問題文をしっかりと読み取り、二次元の白と黒に落とし込むことが求められているのだ。

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