補欠だったあなたへ:大学合格者事情

その宙ぶらりんな気持ち、想像がつくよ。
私は補欠合格をもらったことはないけれど、娘の様子を見ていたから。
合格でも落ちたでもない、補欠合格という曖昧な立ち位置。
いつまで待たされるかわからない、ブラックボックスを開けたような気持ち。
順位が中途半端なら、余計そうだよね。
喜びと悲しみと半々にないまぜになって、あったかいのか寒いのかわからないような、どっちつかずの釈然としないような状態。
気の抜けた炭酸水を開けてしまったような、生ぬるいコーヒーを手渡されたような、ぬかるんだ土の上を歩かされているような、落ち着かない心持ち。

そんなあなたの助けになるかはわからないけれども、補欠合格というジョーカーを引いてしまった気持ちを少しでもなだめられるかもしれないから、私の知っている大学合格者事情を話すね。(うちの殿さまが某大学の教授をしていたので、入学試験の実情をある程度は知っているんだ。)

まず最初に基本情報として知って欲しいことは、最初に発表される大学合格者数は、原則定員よりも多めに発表されるということ。
娘の受験を例にとると、去年のムサビ油画の一般選抜結果からみると、募集人員72人のところ、発表された合格者数は89人だった。
ムサビの油画に受かった人で、他の大学(藝大油画等)に行く人もいるので、最初の合格者は多めに出すのが通例だ。
で、一般選抜で合格したその入学者数は56人。
募集人員72-56=16人補欠から繰り上がったのかって思うケド、実はそうじゃない。今はいろいろな入学試験の方法があるので、必ずしも補欠が16番まで繰り上がるとは限らない。この数はあまり信用できない。

補欠って何番まで繰り上がるのかって補欠合格をもらった人は思うだろうから、娘の例を話すね。
「毎年20番台後半~30番台まで繰り上がってるんだから、10番台なら大丈夫だと思うよ」と現役(2019年)の時にムサビの補欠になった娘は、いろいろな先生からそういわれた。
美術系高校の恩師のP先生やO先生、美術予備校のW先生たちは皆、異口同音にそう告げた。
で、ずっと待っていた娘。
一次手続き締め切り日が過ぎて、二次手続き締め切り日がすぎて、結局3月31日まで待っていたけど、繰り上がらなかった。
その年のムサビの一般の繰り上がりは12番までだった。
あともうちょっとで、娘の番号まで届かなかったのだ。
実は2019年は何故か補欠繰り上がりが少なかったようで、他の大学もそうだったという噂を聞いた。
センター試験がじきに終わるっていう時期だったせいかもしれないし、他の理由があったのかもしれない。
とっても残念なんだけど、例年の繰り上がりはあまり参考にはならないんだ。

あと、全ての大学に言えることなのだけど、実は、新学科を作った時など、補欠の繰り上がりがキツイ時がある。
大学は国から補助金をもらいながら運営されているのだけれども、新学科を作った時前後は国からキビシイチェックが入るので、入学者規定数をあまりオーバーしないよう心掛けているようだ。
規定数より多すぎて『オーバーしていい』人数を1人でも超えてしまうと、補助金がもらえなくなる可能性がでてきてしまう。
大学側の収入は、主に学生からの入学金や授業料、国からの補助金からなる。
1人増えればその分入学金、授業料と大きな額が入ってくるのだが、規定数オーバーしてしまうと、とたんに補助金をもらえなくなってしまう。
少なからぬ補助金に頼って運営されていることが多い、私大ならではの裏事情なのだ。

で、補欠の繰り上がりだが、娘の時の合格発表日は2月19日だったと思う。
年度末は3月31日で、その日までは繰り上がる可能性がある。
結果が出るまで1ヶ月以上、連絡を待ち続けた。
今でもその時のことを考えると、辛かった気持ちを思い出せるようだ。
補欠になったあなたには、できるだけ気持ちを切り替えて待っていることをすすめる。
そんなこと言われたって、難しいよねって思うだろうけどね^^;

補欠合格の最初の繰り上がりは、入学手続き一次手続き直後に来る。
ムサビ油画の場合、今年の手続き締め切りは3月1日なので、翌2日以降に行われる。
合格したにもかかわらず入学手続きをしなかった人がいるからだ。
娘の友人に多摩美に現役合格(2019年)したが、藝大に行きたくて手続きをしなかった人がいた。
彼は残念ながら藝大現役合格ならず、一浪したが届かなかったため、滑り止めとして再度合格を果たした多摩美に現在通っている。
入学金は手付金みたいなもので、実際に入学しなくても返金されないことが多い(授業料は返金されるようだ)。
少なからぬ金額を大学に納めることになるので、お金を出してくれる予定の人(多くは保護者だろう)と、よくよく話し合うことが必要だ。

一次手続き締め切り日の翌日、今年は3月2日だが、大学側は補欠の生徒に個別に連絡を取ってきて、補欠の人の状況を確認していくだろう。
このころには既に藝大一次の結果が出ているので、抜けていくのかどうかが解りやすい。
そういえば、大学側は『どうしても来て欲しい』と思った受験生には合格ではなく、補欠1番を与えるのだという噂を聞いた。
補欠にしておけば、藝大がダメだった場合に来てもらえるからだいう。
ちなみに、入学一次手続き締め切り日は、ムサビ多摩美ともに藝大一次合格者発表の前日だ。
娘は多摩美のヒトケタ(前半)の補欠だった去年、3月2日のお昼頃に補欠繰り上げの連絡をもらった。
ムサビに合格していたので辞退したが、思ったよりも早くに連絡が来るのだなと思った。

次の繰り上がりは3月17日以降、二次手続き締め切り翌日だ。
入学金を支払ったにもかかわらず、藝大合格等を決めた人が入学金は支払ったが授業料等を納めなかったための繰り上がりだ。

若い番号から連絡がいくので、自分より前の補欠合格者が辞退した場合にも順番が回ってくる。
なので、3月2日以降はパラパラと連絡がいく。
3月一杯まで繰り上げ合格の可能性はあるのだ。
ゆっくりと、気長に待つことが肝要だ。

ムサビも多摩美も、今現在補欠順位何番まで繰り上げ合格が決まっているかを都度更新してくれているので、時々確認するといい。
親切な事に、繰り上がりが終わったことも発表してくれる。
(2年前は思わず何度もページを更新してしまった。)

実際問題として、社会に踏み出していない若い世代にとって『一年間浪人する』ということは、あまり大きなデメリットではない。
ましてファイン系の美大志望の学生にとっては、その一年間は決して無駄には終わらない。
自分の絵を深める良い機会として、(ダメだった場合は早くに気持ちを切り替えて)1年間再チャレンジすることをおすすめする。
娘は現役時代ムサビの補欠が繰り上がらなかったが、かえって良かったとさえ今は思っている。
浪人時代に経験した『油絵にまつわること』はすべて、大学1年生の授業で求められたからだ。
既にそれを経験していた娘は、おかげでゆっくりと自分の絵に向き合うことができているようだ。

中途半端に辛い『補欠合格』だけれども、自分の絵をある程度は認めてもらえたのだと思って、早めに気持ちを切り替えてね。

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