ルネサンス期の『少年が空を指している絵』ってどんな絵?
昨夜娘と話していて、ひょんなことからルネサンスの絵画の話になった。
レオナルドダヴィンチやミケランジェロの絵の話をしていて、
「なんか少年が空を指さしている絵もあったよね」
と私が言うと、娘が怪訝そうな顔をする。
「ほら。ヨハネかな?ダビデかな?少年が左腕で空を指しているやつ。裸で。岩山で。」
娘がより一層コワイ顔になる。
思い浮かばないらしい。
「ほら。こんな感じの絵だよ。」
って描いて見せてみた。

鼻で笑われた。
ま。絵の勉強をしている娘に、この絵は笑われちゃうかもしれないけど^^;
娘「ヨハネは、何か着ていることの方が多いんだけどなぁ。
私が思い浮かぶヨハネはレオナルドダヴィンチのヨハネで、こうしてるやつだよ。」
と言いながら、右腕を左上方にひねり上げる。
高校1年生の秋くらいには、絵を描いた経験のない私などよりは多くの絵を画像や画集で見て知っていた娘。
娘が観たことのない絵を私が知っていることは珍しい。
ヨハネもダビデもキリスト教の聖人で、ルネサンス期のイタリアでは教会がパトロンになって描かせる事が多かったので、キリスト教の絵画が多く残っている。
手近にあったスマホで検索をかけてみる。
まずはヨハネだ。
おっと。アニメみたいな絵ばっかり出てくる。
検索をし直すと、ルネサンス期のヨハネが出てきた。

私「違うよ。これじゃないよ。レオナルドダヴィンチじゃない。確かに片腕を上にあげてるけど、違うの。岩山みたいなのに立ってて、空は青くて。」
娘は思い浮かばないらしい。
じゃぁ。ヨハネじゃなくて、ダビデかも。
と思いつつ検索をかけるが出てこない。
他に聖人で少年っていなかったっけ。あ。キリストかな?アダムかな?と何度も探すがやはり出てこない。
「いったいどこでその絵を見たの?」
娘が呆れて言う。
どこで見たんだろう?娘が思い浮かばないのなら、マイナーな絵に違いない。
今まで結構たくさん美術館は行ったけど、どこかで見たのかな?
有名な絵だと思ってたのに…
ふと、思いつき、私が唯一持っている画集を本棚の奥から探し出した。
ページをめくってみて、見つけた。

私「ラファエロが描いたやつだよ。」
と言って娘に見せる。知らなかったらしい。
娘「でも、構図が全然違うじゃん!色も違うし!あげてる腕も違う!」
と反撃された。
ラファエロ・サンテイの描いた『荒野の少年聖ヨハネ』。
1518-20年頃描かれたものだとされている。
1520年4月に亡くなっているので、最後の方の作品だ。
ラファエロの作品でヨハネで検索されて出てくるのは『美しき女庭師の聖母《聖母子と幼き洗礼者聖ヨハネ》』ばかり。
確かに、こっちの絵の方が有名なのかも。ルーヴル美術館所蔵だし。
残念ながらwikipediaのラファエロの項目にも載っていない。
私が持っている唯一の画集、『イタリア・ルネッサンス美術展』。
1980年に国立西洋美術館で開催されたやつだ。
もう、40年近く前のもの。
ちなみに表紙は、娘曰く『私はボッティチェリに描かれましたって顔している』

『こんな絵あったよな』っていううろ覚えで絵画を検索するのは難しい。