デッサンの描き方を変えた。白トビと眠いの克服はできるか。
美術予備校の二学期。二週目はデッサン週間だ。
一日6時間x2日で1枚仕上げ、講評まで行う。
今までとデッサンの描き方を変えたのだという。
「え。何を変えたの?」と聞くと、「だから、描き方。」とにべもない返事。
二学期が始まって一枚目のデッサンが上手くいかなかったようで、予備校のM先生からのアドバイスで描き方を変えてみたらしい。
今までも何度も言われている『白トビ』と『眠い』を脱却するためと思われる。
講評では「目の付け所は悪くないので、絵が弱いのは技術的な問題だと思う。」と言われたようだ。
絵が眠い=絵が弱いということ。
眠い絵とは、ぼやんとしていて良くない絵。
使っている色が単純、単調すぎたり、同じ色が作品のいろいろな部分にあったりするとダメらしい。
ぼやんとしてても良い絵はある。
良い絵は、どんなにハイトーンで描かれていても、明度を濃くして濃い色にした場合にも良い絵に見えるそうだ。
ハイトーンの色をダークトーンに変えると、真っ黒になって見えないとか、黒い部分がたくさんあるようになっちゃうとかが良くない絵。
ハイトーンだと、白が飛んでる。となるが、ダークトーンだとチカチカすると評されるらしい。
今までの娘の描き方はハイトーン、白っぽい絵だった。
今回の描き方はグレート-ン。今までのよりももっと全体が濃い。
なんでデッサンの描き方を変えたのか聞くと、油絵の描き方を変えたから。と答える。
夏期講習の油絵で、娘は他の人よりも『色』に関してこだわりが強いのだということがわかった。
だから、娘の油絵は色で勝負をする描き方。色を盛っていくスタイルに変えたのだ。
油絵につながるようなデッサンにすることをM先生にアドバイスされたようだ。
「縦に感じたものを縦に描いて、横に感じたものを横に描く。という風に変えたの。
これは、ガラスのコップだけど、明確な形を決めていっていないので、後から修正も簡単にできる。
なんとなくの影とかは変わらないから。」
ご飯を待つ8分くらいの間に描いて見せてくれた。
娘の油絵は明確な形がない。
これは鉛筆で描いたものだが、今までのものよりも明確な形がないデッサンになっているように思える。
今回の木炭デッサンは画像で見せてもらっただけだが、少し娘の油絵に感じが似ていると思う。
自分の形、絵のスタイルが決まってきつつあるんだと思う。
同じ予備校生でも、自分の形が決まっていない人もまだたくさんいるそうだ。
だよね。
娘だって、この1ヶ月くらいでやっと形が見えそうになってるんだから。
4年やってて。やっと。
絵の形とかスタイルとかって、本人に合った形を見つけなきゃいけないから。
他の教科と違って美術は正解がないから。
手探りで探していかなきゃならないから。
時間かかるの当たり前だよね。仕方ないよ。
初めて木炭を触ってから3年。
素材にも慣れ、自分の強みも少し解ってきた。
色で形を出す娘の描き方。
『白トビ』と『眠い』は克服できるのだろうか。
一歩ずつ、自分のスタイルへと近づいて行って欲しいと願うばかりだ。