未完の『モナ・リザ』仕上げることは作品を自分と切り離すこと
夏期講習も最終ウィーク。
通常授業よりも2時間多い授業形態のため、いつもよりも描いている時間が長い。
始まってからの224時間で、描いた油絵は今のところ7枚。
浪人生になってからで考えると、9枚だ。
クロッキーやデッサンと違って、仕上げようとすると時間を要する油絵。
っていうか、クロッキーは仕上げられないし^^;
作品を作る時には、ある程度の時間をかけるのが通常だ。
一枚の絵に何日も、何週間も、何か月もかかる場合もある。
だから残っている有名な作品にも未完成なものも多い。
例えば、だれもが知る油絵のひとつモナ・リザ
レオナルド・ダ・ヴィンチの残した傑作だが、これは実は未完の作品だ。
レオナルドは未完の作品が多く残されている画家で、
というのも、習作として描いた作品を美術館が多数保管しているためだが
この作品もそのひとつだ。
彼は最後までモナ・リザを手元に置き、手を加え続けていたと言われている。
晩年は作品を仕上げることは困難だったようで、多くの作品が未完のまま残されている。
誰でも作品を作る時には、だいたいの出来上がりを想像して作り上げていくだろう。
その想像と創造作品がどのくらい合っているかは、作り手の人となりや使う材料、またその時代やその時々の作り手の心情にも影響される。
一枚ずつ仕上げて終わらせる者もいれば、何枚か同時に描く者もいる。
何年もかけて完成させる絵もあれば、短い時間で仕上げる場合もある。
何かを完成させるには、かなりの気力を必要とする。
『もうこれ以上自分は手を加えない』と、作品と自分を切り離す必要があるからだ。
自分の手を離れても自然、または他人がそれに手を加える作品もあるが、それらであっても自分と切り離すことは必須である。
大学受験のための絵画は、受験時に描くという前提において作品制作への時間制限が行われる。
希望大学によりけりで、3日間だったり半日だったりと仕上げる一枚の作品に費やす時間が変わる。
その時間が終了すれば加筆をやめねばならないので、完成もしくは完成に近い状態に仕上げることを求められる。
通常絵を描くときには、油絵はある程度の時間をかけることが多い。
だが、受験校によりけりで作品にかける時間が変わってしまうので、仕上げるための描き方を変えねばならないこともある。
過去の偉大な画家と並んで考えることはもちろん全くできないが、夏期講習初めから約5週間かけて娘が美術予備校で描いた油絵は7枚。
完成させることができたのは内6枚だ。
一枚仕上げることでつく実力も馬鹿にできないので、きちんと最期まで仕上げることも大事になってくる。
描くのに時間がかかってしまう油絵。
あと何枚描けるのか、受験生達は不安に思いながらもただひたすら描くことしかできない。
せめて、少しでも楽しめますように。ただ願うばかりだ。