ヌードモデルでしかもムービングクロッキー
毎週美術予備校で行われている、有志参加のヌードクロッキー。
多摩美の油絵試験の一次デッサンは毎年人物なので、人物画不得意な娘には避けて通れない人物クロッキーだ。
いつもヌードなのだが、今回はムービングの課題つき。
ムービングクロッキーとは、文字通り動いている状態をクロッキーするもの。
3つのポーズを連続で行っていくのを描くのだが、ムービングなので当然ながらとどまらない。
ゆっくりと動きながら3つのポーズを順番にとっていく。
基本的に全身動かし、10秒程度で体の軸がどんどん変わっていくそうだ。
聞いても、どういうものかさっぱりわからない。
と思っていたら、娘がまねして動いてみせてくれた。
バレエの動きを太極拳(たいきょくけん)のように、ゆっくりと動いてみせてくれるようだ。
瞬間瞬間を描きとらなければならないので、大変そう。
っていうか、
描く人も大変だけど、モデルさんも大変だよね?
同じポーズを続けるのも体痛くなっちゃうけど、動きっぱなしの2時間半はかなりきつくない?筋肉痛になりそう…と関係ないことを運動不足の母は思ってしまう。
予備校に来てくれるヌードモデルさんは女性が多い。
もともと女性モデルの需要の方が一般的に多いようだが、どうやら予備校の先生の好みも反映されているらしい。
『男のモデルは気持ち悪いから』と答えた男性のM先生。
同性の裸は見たくないようだ。
通常の固定ポーズでもヒイヒイ言いながら描いている娘は、今回はぐったり疲れてしまったようだ。
ポーズを取って見せてくれた後は、言葉少なになってしまった。
美術予備校の6時間と、ムービングクロッキーの2時間半。
ずっと描きっぱなしではないが、8時間半絵の勉強をしているのだから、いくら楽しいと言ったってそりゃぁ。疲れるよなぁ。
と思いながら、横にならせて背中をマッサージしてやる。
首から腰にかけていつものようにパンパンに張ってしまっている。
モデルさんのように少し動いた方がいいのではないかと思う母である。