美術トリビア☆光の三原色と色の三原色
光の三原色と色の三原色は違う。
太陽の光の中には、赤、紫、青、黄や緑など様々な色が含まれているが、人の目がそのすべての色を感知できるわけではない。
光の三原色とは(RGB)加法混色
人の目にある色を感知できる細胞は、赤、青、緑の3色だけだ。
人はこの3色を感じる強弱の割合を頭の中で組み合わせ、あらゆる色を感じているにすぎない。
この、人が色を感じる基本となる『redレッド(赤)、greenグリーン(緑)blueブルー(青)』の3色を光の三原色と呼ぶ。
光の三原色
File:AdditiveColorMixiing.svg – Wikimedia Commonsより
太陽の光は、『白』や『透明』と思い浮かべるが、太陽の光の色は無数の色からできている。
光は『色々な色が集まってできている。』のだ。
言い換えれば『色々な色が集まって、白い光を作っている。』といえる。
人が感知できる赤、青、緑、すべての色を混ぜると白(透明)になる。
この3つの色の強度を変えて混ぜ合わせると、ほぼすべての色が表現できる。
テレビの画面やカラーディスプレイの発光体にはこれを利用して表示されているのは、よく知られている。
テレビ画面やディスプレイは『光』を出しているからだ。
だから、混ぜれば混ぜるほど明るくなり、白くなっていく。
これを、加法混色と呼ぶ
色の三原色とは(CMYK)減法混色
光を出すものは太陽光と同じように色を混ぜると明るくなるが、印刷物や絵などでは事情が変わる。
印刷のために必要なインクは、混ぜると暗くなるのだ。
色の三原色(絵の具の三原色)はcyanシアン(空色)、magentaマゼンタ(赤紫)、yellowイエロー(黄)のこと。
色の三原色
File:Synthese-.svg – Wikimedia Commonsより
3色を全て混ぜると黒に近い暗い色が出来上がる。
このため、減法混色と呼ばれる。
3色を混ぜても完全な黒にはならないため、印刷する場合はこれにkuroクロ(黒)を混ぜて行う。
※blackだと、blueと間違えやすいため、黒はkuroと表示される。
各色の大きさや配列、重なり具合を変えて並べることにより、離れて見ると絵や写真として表現することができるようになる。
美術学生が色を3色で捉える利点
色の三原色で述べたように、シアンとマゼンタとイエローさえあれば、画家はどんな色でも出すことができるようになる。
絵の具3色だけでかわいい水彩イラストも描けたりする。
『色とより一層親しくなるため』に3色だけを使って表現してみると、使える色の幅が広がりそうだ。