クリムト展ユディトに圧倒された。主題のユディットとは。
世紀末ウィーンを代表するオーストリアの画家グスタフ・クリムトは、金箔を多用した装飾性豊かな作風で知られる。
黄金様式の幕開けを飾るユディットⅠ。
旧約聖書の一場面を主題とする『ユディト』はヨーロッパ絵画では非常に多くみられる主題のひとつ。
アッシリアの王が司令官ホロフェルネスを派遣して諸民族を攻撃してくる。
町を囲まれ水源を絶たれたユダヤの町ベトリア。
町の指導者は降伏を決意するが、信仰心の篤い美しい未亡人ユディトは包囲している敵の陣中に潜入。
酒宴で酔いつぶれた司令官ホロフェルネスの首を切り落とす。
司令官を殺された包囲軍は敗走する。
というベタな展開だ。
クリムトは、『切断されたホロフェルネス(司令官)の首を手に恍惚の表情をたたえたユディト』を描いている。
右下隅に半分隠されているのは切り落とされた首の一部だ。
クロムト展 ウィーンと日本1900は東京都美術館にて7月10日(水)まで
ユディトを主題とする有名な作品としては
カラバッジョ 「ホロフェルネスの首を斬るユディト」
非常に若いユディットが描かれている。側についているのは召使。首を切っている瞬間を描いたもの。
2014年フランスのトゥールーズの屋根裏で発見されたものもある。
2019年6月に競売にかけられる予定。
クラナッハ
ホルフェルネスの恍惚的とも見える表情とグロテスクな首、ユディトの覚めた目線の対比、手に持った大きな剣がコワイ。
ボッティチェッリ
ホロフェルネスの首をもって意気揚々と砦に戻るユディト
アルテミジア・ジェンティレスキ
女性画家の描いた代表作ユディト リアリティに富んだ写実性とエロティックで暴力的な描写。召使と一緒に剣を持っているのが特徴的。
ジョルジョーネ
信仰心の深いユディトに悪を示すホロフェルネスの首を踏ませている。右手には剣。
ホロフェルネスの顔は作者ジョルジョーネの自画像とも言われる。
フランス南部の民家の屋根裏で2014年に見つかった作品は、カラヴァッジオのものであるとの鑑定結果がされた。
6月27日にトゥールーズで競売に掛けられる。1億5000万ユーロ、日本円で約187億円の値が付くと予想されているそうだ。
ちょっと、楽しみ♪