石膏像(組み石膏):ヘルメスとスチールパイプの立方体
オリンピア12神の一人、ヘルメス。
旅人、商人などの守護神だ。
生まれてすぐにアポロンの牛の群れを盗んだ、盗人の庇護者でもある。
陽気で人懐っこく、口がうまく嘘つき。
天界と冥界を行き来するメッセンジャーでもあり、それを表す羽根の生えたサンダルを履いている。
美大入学試験の定番の石膏像ヘルメス。
本物はアッティカの彫刻家プラクシテレス作とされている『幼いディオニューソスを抱くヘルメス』オリンピア考古学博物館所蔵
のヘルメスに、なぜかスチールパイプで作った立方体(枠)をかぶせたたものが課題だった。
石膏像とメタリックの対比を描かせたかったのか?
残念ながら画像を撮り忘れてしまったそうだ^^;
メタルパイプを頭にかぶせたヘルメスの講評は、
『調子が綺麗でいいんだけど、上の方が眠いねぇ。眠いのが気になって見れない。』
顔の部分がぼやっとなってしまったそうだ。
「上の方を隠してみれば、格好いいと思うんだけど。
メタルチックな金属的な感じはうまくだせたと思うんだけど。」
と、夕飯を食べながら娘は話す。
『眠いのが気になって見れない。』
というのは、残念ながら講評してもらえない。という回答だ。
一枚の絵の中に、極端に気になってしまう不快な部分があると、講評してもらえなくなってしまう。
その不快な部分にどうしても目がいってしまって、他の部分を見れなくなってしまうらしいのだ。
まして今回、『眠い』とされたのは主役のヘルメスの顔だ。
石膏と、他の静物を組み合わせる『組み石膏』は、当然ながら石膏単体で描くよりもぐっと難しくなる。
その『静物』らしさと、『石膏』らしさを考えて一枚の絵に仕上げるからだ。
今回の組み石膏はうまくいかなかったようだ。
うまくいかないのは悔しいらしい。
残念だったね。
次回にまた頑張って欲しいと願う。