ドローイング3日目の講評は決め手に欠ける
「決め手に欠ける」だった講評
なんだか納得がいかないのか、ショックを受けているのか。
帰るや否や、しゃべりまくる娘。
「その絵がきゅっとしまるようなポイントがない。って言われたの。
構図もいいし、発想とか面白いんだけど、その絵がきゅっとしまるようなものがない。
いいんだけど、それがないせいで、あと一歩な感じ。だって。」
そこまで一気にしゃべり上げる。
どうやらショックを受けているらしい。
透明水彩は娘の好みの画材で、描いていて楽しくなる素材のひとつ。
確かにいつもなんだかボヤっとした絵になっている気がする。
イタイところをつかれたようだ。
「透明水彩のぼやんとした感じはいいみたい。
きゅっとしたものがないから、絵として弱いんだって。
もっと強いのが入れば、すごくよくなると思われたんじゃないかなぁ。」
すごくよくなるならいいんだけど…
ホントかな?
娘は自己評価が高いので、話を聞いていると不安になる。
もっと強いのが入ればって、どういう意味かと聞いてみる。
「ぼやっとした絵の中にね。色がたまっている場所があると、そこに目がいくでしょ。
絵の具の濃い部分と、淡い部分の差があったりすると、一本調子じゃなくなって、魅力的な絵になるの。
どこかに強い何かがあれば、たぶんもっとよくなる。」
強いの。とは、色の濃さのことのようだ。
緩急をつけた方が絵として良くなるということが言いたいのか。
娘が進みたいのは油絵だ。
油絵の描き方にどうやら悩みを持っているらしい。どう使ったらいいのかわからない。と今までも何度も聞いている。
透明水彩は娘に合っているのか?
水彩を描くこの感覚を、このまま油絵にしたいと娘は言う。
「透明水彩だと暖色も使いやすいしね。」
娘の油は、全体的に青い。
いつも暗い色ばかりなのだ。
色々な青で作られているので、よく見ると細かく色を変えているのがわかるのだが、ぱっと見単調に思える。
暖色を入れるように指導されても、なかなかそれを受け入れられないようだ。
「ようやく、歯車が合いそうな感じなの。
今まで、油絵描いていても、感覚が合わなかったの。
自分が描きやすくて、なおかつ描けるものがでてくるかも。
自分が描きたいものがぼんやりとしていて、どう描いたらいいのかわからなかったものにちょっと近づけるかも。」
痛いところを突かれて、ショックを受けて、解決策を見つけたのか?
透明水彩は、もちろん油絵とは全く違う絵の具だ。
下地を作って、その上に色を重ねると、透明なので、下と上の色があわさって柔らかに色が混ざる。
その透明水彩の素材感が好きなのだと娘は言う。
透明水彩だからこそ描けるような作品。
うまく油絵に生かしていけるのならいい。
気に入ったように描けるといいね。