娘の通う美術予備校、フロアー毎に学科が分かれている。
娘の通う油絵科は最上階だ。
油絵は、絵の具と油を混ぜて絵を描いていく。
使用する油は燃えやすいので、万が一に備えて最上階にあるそうだ。
その美術予備校では、過去に絵を描き終わって講評を受けている最中に、ごみ箱から煙が出たりしたことがあるらしい。
油絵は絵の具と油を混ぜて作品を作っていくが、油絵具は乾燥する時、微量の熱を発生させる。
油の酸化反応だ。
通常は大した温度にまでは上がらないのだが、絵を早く乾かすために乾燥材などを用いた時には、通常より高い温度になってしまう。
使用する油によっては、乾燥する際の熱が高くなり、状況によって自然発火するおそれがあるそうだ。
もちろん、普通にキャンバスに描いている時に燃えたりはしない。
A油が布や紙に染み込む
↓
B染み込んだ布や紙の空気と触れる面積が大きく、油が早く酸化し熱が出る
↓
C Aの布や紙がごみ箱に積み重なって入っていたため、温度が上昇
↓
D発火温度を超えると発火
となる。
油にひたひたに漬けた布や紙は、油が空気と接触する面積が小さいため自然発火しないそうだ。
油が染み込んだ布や紙も、一枚だけなら空気の対流により発熱もすぐに冷めてしまうらしい。
つまり、油が染み込んだ布や紙が大量に発生してしまった時、使用が済んでごみ箱に入れて、ゴミ箱がいっぱいになったからって無理に詰め込んだりしてぎゅうぎゅうに入れたりしちゃった時が危険なんだ。
油絵は絵の具を油で溶いて使う。
絵の具に油を混ぜることにより絵の具の伸びが良くなり筆運びがスムーズになるのだ。
溶く油によって特性が違い早く乾いたり、ゆっくり乾いたりするので、何種類か使い分けるそうだ。
当たり前だが、油絵を描くのに油は必需品。
発火の事故は比較的頻繁に起こってしまうらしい。
発火した場合、火は上に向かうので、被害を最小限に食い止めるために油絵科は最上階にあるのだという。
…
…コワイ。
ごみに捨てるときには、注意してもらいたい。