透明水彩とは、透過性のある水彩絵の具のことである。
透明水彩は、絵の具の濃さや水の量をコントロールして紙に絵を描いていく。
にじみやぼかし、下地の紙の色などを絵に生かして描くのが特徴のひとつだ。
意図しないはみだしや色の融合などで現れる色の美しさに惹かれる。
水をたっぷり含ませて描くことで、独特な美しさがあらわれるのだ。
水彩絵の具には2種類ある。
透明水彩と不透明水彩だ。
透明水彩は紙の白さを明度として利用し、水で溶いた絵の具の重ね具合で濃淡をつくり描く。
不透明水彩は白色絵の具を他の絵の具に混ぜることで、明度や濃淡を変化させて描く。
透明水彩絵の具の作家というと、『いわさきちひろ』を思い浮かべる。
娘がまだ幼いころ、読んで聞かせた本のうちの一冊。
メーテルリンクの青い鳥。挿し絵は『いわさきちひろ』だ。
優しい色合いと柔らかな線がとても魅力的だ。
子供が大きくなっても手放せない本のひとつ。
美しい絵は見ているだけで癒されてしまう。
透明水彩は、透けているからこそ下絵が生きる。
下絵につけた影が、彩色時に透けて見えるということだ。
水っぽいので、筆の処理も重要になってくる。
気を付けないと予期せぬところの色が濃くなってしまったりするのだ。
これは娘の水彩絵の具のパレット。
12色プラス3色の15色。
透明水彩は、固まっても何度でも水で溶いて使える。
描きたい時にすぐに始められるのがよいらしい。
無駄が少なくて経済的だ。
ただ、どんなものでも慣れるまでには試行錯誤を繰り返す必要がある。
時間もかかるし、道具の使い方も実際やってみなければわからない。
筆や絵の具と仲良くなって、どう使ったらよいのか何枚も描いてみることが大事になってくる。
娘も本を読んだり動画をみたりして描いているらしい。
どのように筆を遣ったらよいか、色を混ぜたらよいか、動画なら細かいところも教えてくれる。
教室などと違って時間が決まっているわけではないので自分の都合の良いときに見られるのもいい。
うまくなるには、どのように水彩絵の具を使ったらいいのか習うのが一番だろう。
自分の好みの描き方や独自性を出していきたくても、どう使ってどのように描いていくのか、ある程度基礎ができ、『描ける』ようになってからでなければ魅力ある絵を描くことはできない。
基礎を知ることはどんな事でも基本となる。
自分の描きたいものを描けるようになることを願っている。