初めてのデッサン:最初の一歩は構図と明暗と形をとること

受験デッサンを通じて、デッサンの描き方でわかったこと。
まずは最初の一歩。それを今回はまとめてみた。(あくまで私見である。)

デッサンの基本は『モチーフそのものをある程度模写できているか。』である。
つまり、『見えているように描ける』かどうかを問われている。
三次元のカラフルなものを二次元の白黒に落とし込むのがデッサンである。

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デッサンを始めよう:道具の準備

 初心者は画用紙と鉛筆を使ってデッサンの練習を始める。
ダ〇ソーでいいかなーと思って買ってみてはいけない。
(娘に嫌がられ、使ってもらえなかった。というか、どのように描きにくいのか実演されてしまったので、それ以上言えなくなってしまったのだ。)
画用紙も鉛筆も文房具屋にあるので、そこで買おう。

少しくらい高くても、文具メーカーの画用紙がおすすめである。
やはり『描いていて楽しい』と感じられないと、ヤルキにはなかなかなれないものだ。

娘のお気に入りはマルマン

やはり描きやすいのが大事だ。
娘に言わせると「表面がボコボコしていて描きやすい。」だそうだ。
サイズも豊富なので、モチーフ1つの場合も、複数の場合も対応しやすい。
持ち運びもしやすいため外で描くことも手軽にできるのも嬉しい。

鉛筆はuni(ユニ)を好む。

種類は6B~4Hくらいまで使うが、最初はHBと2Bがあればいいかも。
(ユニには6B~9Hまで硬度があるようだ。2019年1月30日調べ)
値段の高いHi-uni(ハイユニ)じゃなくてもいいそうだ。
ステッドラーを使う友人もいるが、娘は「描いた感じも違うし、色も違う」と言って使いたがらない。
コスパはユニが一番良いので、こちらとしても助かる次第である。

鉛筆はカッターで削る。
寝かせて使うことがあるので、文字を書くときよりもエンピツの芯を長く出さなければならないのだ。
娘はカッターで削っているが、私が好きなのは肥後守(ひごのかみ)。

折り畳み式ナイフだ。ちょうどよい重さなので削りやすいし、たくさん削っても疲れにくい。

デッサンを始めよう:実際に描いてみる

 最初の練習は、白黒でモノをとらえることから始まる。

難しい場合はモチーフをモノクロカメラで見てみると分かりやすい。
どこが暗くてどこが明るいのか一目瞭然である。

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モチーフは一番描きやすいリンゴがやはりおすすめだ。
構図も取りやすいし、明暗などもわかりやすい。
自然物なので、形もとりやすいし、手に入りやすい。
なにより描き終わったら食べてしまえるのもちょうどいい。

下に白い紙をひいて、上から明かりをつけて反射を考えながら描いてみればいい。

モチーフを画用紙のどこに描くかによって構図がきまる。
小さいものは小さく思えるように、大きなものは大きく思えるように構図をとるのだ。

りんごはまぁるい形をしている。
どのようにまるいのか、よく見てみることが大事だ。

照明の明かりや太陽光によってモチーフに明暗ができる。
また、下に敷かれた白い紙の反射によっても明るい部分ができる。

よく見て、見えているように二次元の紙に描くこと。
三次元の立体を自分の頭のフィルターを通して二次元に落とし込んでいく作業である。

デッサンを始めよう:描いたものをよく見てみる。

 描きあがったら、客観的に見てみる。

まずは構図 

  • モチーフが真ん中にきているか。
  • 余白のバランスがいいか。
  • モチーフの大きさはどうか。

上下左右のバランスがよく、モチーフの大きさを想像しやすい構図になっているかが大事だ。

 

次に明暗 

  • 上から、横から等光がどのように当たっているか。
  • 下からの反射光はどうか。
  • モチーフ自体の照り等はどうか。

 

一番暗いところ、一番明るいところを正しく表現してあって、床に設置してあるかを確認する。

最期に形 

  • モチーフと同じ形をしているか。
  • 全体像、細部は合っているか。

描いた時と同じ目線でモチーフをみて、どのくらい形を再現できているか確認する。

 

違和感を感じたら、どこが違うのかを明確にすることで、次にはもっと似せて描くことができるようになる。
モノをよく観察し、固いものは固そうに、柔らかいものは柔らかそうに、かつ立体的に表現してく。

デッサンを始めよう:まとめ

 デッサンの基本はモチーフをその通りに模写できるかどうか。である。
なので、白黒写真のように描けるのが究極の目的なのかと最初は思っていたが、それは違う。
受験用デッサンは本画(娘の場合は着色油彩)と別物なのではなく、本画へと続く道筋なので、その過程で『あえて白黒でモチーフをとらえている』という認識のもとに行われる。
油彩画を描くのなら、その油彩画を魅力的に描けなければ、どんなに上手にデッサンが描けたとしても美術の世界では意味がない

写真のようなデッサンを描けたとしても、それは芸術ではない

『写真のように』描くことを求めるのなら、それは写真家に任せるべきである。

デッサンのプロ=模写のプロになる必要はないのだ。
ただし、モチーフそのものをとらえるのにデッサンの練習をするのは、その後の本画を描くベースを作ることに非常に役に立つ

英語の発音と同じように、何度も練習することによってそれは上手になる。
ただし、間違った発音を何度練習してもよくならないのと同じように、自己流でデッサンを描いたとしてもなかなか上達はしない
良い先生に恵まれることがとても大事だ。

受験用デッサンは趣味で描いている絵とは違う。
好きなように描いて、それが認められるわけではない。
あくまで『美術』という教科の中での表現方法なのだということを忘れてはいけない

デッサンのステップとしては、りんごが描けるようになったら蜜柑などの他の果物、小松菜や人参などの野菜、コップやグラスなどの人工物に進んでいく。

描けば描いた分だけ、構図や明暗、形は自分の中にストックされていく
デッサンはそのための基礎練習なので、地道に続けることで着実に進歩していくのも面白いようだ。

詳しいデッサンの描き方は本などたくさん出ているので、自分にあったものを見つけてみるといいと思う。
まず描いてみて、三次元のカラフルなものを二次元の白黒に落とし込むことが自分が楽しいと感じられるかどうか。

それがダリへの最初の一歩につながるのだ。

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